鈴木康友前市長が静岡県知事に立候補した理由の一つ、それは浜松市に県営ドーム型野球場を建設すること。
なぜかと言うと、浜松市の四ツ池公園にある市営浜松球場を解体してそこに陸上競技場を作るという計画がある。陸上競技場？そうだ。スズキの陸上部「スズキアスリートクラブ」がそこを利用できるというメリットがあり、スズキの社外取締役にオリンピック金メダリストの高橋尚子さんが任命されているということから、陸上に対する力の入れ方が半端ではない。だから鈴木前市長は鈴木修氏のために一生懸命になっている。四ツ池公園の市営浜松球場が無くなってしまうと市民から不満が出てくる。だからといって陸上競技場と野球場も両方作るわけにはいない。そこで思いついたのが、県のお金で野球場を作ってしまえば手っ取り早いということだ。当初はアマチュア向け野球場の計画だったが、津波避難施設も兼ね揃えたプロ野球の試合が開催できる立派な球場にしてほしいとの要望に変わった。しかし、計画地の遠州灘海浜公園篠原地区は沿岸部であることから、津波が来たら海に向かって避難するのはおかしい、風が強い地域だから野球には不向き、アカウミガメがいるから照明設備はやめてほしいとの意見が相次いだ。そうしたら今度はドーム型球場。浜松にはプロ野球の球団がないのにも関わらず、370億円もするドーム型野球場を作ってほしいとは呆れるばかりだ。案の定、多額の税金が投入されて費用対効果はあるのかとの批判が出たら、イベントなどを開催すれば地域が活性化すると言い始めた。開いた口が塞がらない。もちろん主張するのは鈴木前市長と鈴木修氏に逆らえない子分、浜松の政財界と呼ばれる高齢者たちなのだ。沿岸部、プロ野球球団がない、交通アクセスが悪いなど誰もが集客施設に向かないと思っていたところ、4月3日の中日新聞より、浜松新球場巡り「ドーム型案に民間事業者から批判続出」というごもっともな報道があった。鈴木修氏としては陸上競技場ができれば良いのだが、それを忖度した見境のない子分たちの行動がどんどんエスカレートしていき、中野浜松市長は何を血迷ったのか、北海道のエスコンフィールドまで視察に行っている。
県知事選の争点にされたくないのが何と言ってもドーム型野球場。焦りが出たのか鈴木前市長は4月19日の記者会見で、ドーム型野球場は西武ドーム(ベルーナドーム)のように開放型にすれば安くなり、開口部から風が入るので空調もいらないと専門家が言っていたと、とんでもないことを言っていた。西武ドームは既存の球場に屋根を後付けした球場であり、開口部を設ければ風圧に耐えられるだけの構造が必要で、さらに建設物価も高騰している中、安くなる保証もない。また、空調が無いため、選手も観客も熱中症で体調不良になる人が出てくるなど色々な問題を抱えている。本当に鈴木前市長は適当なことを言うので注意が必要だ。これで県民を騙せると思っているのだろうか。