テストもなければ宿題もない。「体験学習」に重点を置く新しい教育のカタチを実践する私立の小学校が今年の春、北海道長沼町に誕生しました。冬も近づく中、学校に子どもたちの『秘密基地』が完成しました。
　「ここでーす」「これが、産卵箱。ニワトリが卵を産む場所」
　学校の敷地に置かれたニワトリ小屋。設計を含めてすべて子どもたちの手作りです。きょうはここにニワトリがやってきます。
私立「まおい学びのさと小学校」。特徴ある授業スタイルをとっているこの学校。時間割の多くを占めるのが、「プロジェクト」と呼ばれる「体験学習」で、さまざまな物事を体験しながら、国語、算数、理科、社会など複数の教科を同時に学びます。
今年は「ものづくり」「演劇」そして「料理」の３つから子どもたちはそれぞれ興味があるプロジェクトを選択。「料理」を選んだチームは、ニワトリを飼育して卵を産んでもらおうと考えました。
「１７０足したら・・・１００ｇ足したら５４０ｇ・・・・」
エサの準備も、なんとかできたようです。
「ではモスガーデンいきます！」「レッツゴー」
ニワトリは同じ長沼町内の養鶏場が譲ってくれることに。せっかくなので自分たちで選ぼうとしますが…
「飛ばないでくれよー」「めっちゃこえー！うわぁ怖い怖い」
ＭｏｓｓＧａｒｄｅｎ　山口命さん：「急がないと、ニワトリがイライラしてきてる」
なんとか、オス１羽、メス７羽を連れて帰ることができました。
しかし…
「テントが飛ばされる！テントが飛ばされる！」
突然の雨。ニワトリはバスの中、手作りの小屋も心配です。
　その時、校舎内では－
”あべＤ”こと阿部実さん：「停電は初めてですね。でも子どもたち盛り上がっちゃって」
学びのさと自由が丘学園　村重勝也事務長：「（Ｑ電気つきそうですか？）つかないですね。これは周辺で停電がおこってる状態」
「あ、ついた！」
雨もあがり、いよいよニワトリを小屋の中へ。
「料理」以外のプロジェクトを選んだ子どもたちもニワトリが気になるようです。
山口さん：「Ｑ無事入ったの見てどう？安心しました。すごい新鮮というか、いままでない学校の形をつくっているなかに自分も携われて、自分たちも勉強になるなと、いい体験を一緒にさせてもらえています」
ところで…外に設置したネットと小屋のあいだには隙間が。大丈夫でしょうか？
「あ、でちゃう！出た！出た！出た！」
雄鶏が脱走してしまいました！
「早く、早くしないと」
ここは大人が助けて無事確保しました。
こちらは「ものづくり」チームが２カ月かけて作ったツリーハウスです。ニワトリ小屋と同じく、設計から建設まで子どもたちの手作り。
「（Ｑ完成度合いは？）８、９割は完成してる。９だ。あとは、屋根の隙間」
今の課題は屋根と壁の隙間をどうやって埋めるかです。
”ぐれっち”こと小暮篤さん：「あとで木の板何枚か計算しようか」
窓は、蝶番をつけて、開閉式にしました。
みんなの「秘密基地」になるかもしれせんね。
もうひとつのプロジェクト、「演劇」チームはというと…学校の近くのカフェで、映画祭を開催しました！演劇チームは、札幌に今年できたばかりの都市型水族館「ＡＯＡＯＳＡＰＰＯＲＯ」などで短編映画の撮影を実施。夏休み開けから４つの作品をつくりました。
脚本・撮影・編集、すべて子どもたちが手がけました。
４年生：「こういうことができるということは、みんなが元気な状態。次何をやるか楽しみ」保護者：「『日曜日がいらない』と（子どもが）言ってる、それくらい学校が楽しい」
保護者：「体験を通して学んだことがちょっとずつ定着している。（子どもの）心にも余裕があって、でも自分なりの視点で学んでいるところがいいんじゃないかなと」
「あったかい！あったかい！」「（Ｑたまご何個あったの？）４個」
ニワトリは毎日卵を産んでくれるようになりました。
細田孝哉校長：「ポンと学校だけ来るわけじゃなく、地域の人がいてこそ、地域の人がいろんな活動を受け入れてくれることが根幹なので、地域の人とも仲良くやっていきたい。肉体的にはタフなんだけど楽しいです」
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