月の曲 上野公園野外演奏ーJapanese traditional musical instruments ensemble "MAHORA"

Музыка

琴古流本曲『月の曲』
尺八 青木滉一郎
“Tsuki no kyoku” / Moon song
(Kinko school style Honkyoku )
The Kinko school is one of the shakuhachi schools. The fonder is Kinko Kurosawa Ⅰ (1710-17171).
"The Kinko school style Honkyoku" are shakuhachi solo works (excluding "Shika no tone") that have been handed down from master to next master in the Kinko school and are repertoire that forms the core of the school's identity. The number of works is about 36, changing a little depending on the times. Principal works are collected and organised by Kinko Kurosawa Ⅰ.

"Tsuki no Kyoku (Moon Song)" is the newest song in the Kinko school style Honkyokus that have been handed down in the present. This work is composed by Takeo Araki (or Araki Kodo Ⅱ ) (1823-1908). However, Takeo Araki died during the elaboration of this work, so it is said that his disciple made up for it.
Takeo Araki is a person who revived the Kinko school style of the shakuhachi, which fell into a decline at that time.
Most of the current Kinko school style's shakuhachi players, we arrive at him when we trace their teachers backing several generations
ー解説ー
琴古流とは尺八の流派の一つ。初世黒澤琴古(1710‐1771)を祖とする。
琴古流本曲とは、琴古流に伝承されている尺八独奏曲(鹿の遠音を除く)で、流派のアイデンテティの中核をなすレパートリーである。初代黒澤琴古が収集、整理した曲を中心に、時代によって多少の変化はありつつ、36曲程度を数える。
『月の曲』は現在伝承されている琴古流本曲の内では最も新しい曲で、荒木竹翁(二世荒木古童)( 1823-1908)の作曲である。ただし荒木竹翁はこの曲の推敲中に亡くなったため、門人が補って完成させたとも言われる。
荒木竹翁は琴古流尺八の中興の祖とも言える人物で、現在の琴古流の尺八奏者のほとんどは、師を辿ると荒木竹翁に行きつくほどである。
以下に、主に使用される音階の面から、簡単な曲解説を記す。文中の音高に対する言及は、すべて動画の演奏の実音に基づく。なお動画の演奏では一尺九寸管(Cis(ド#)管)を使用している。
曲は大きく6つの部分に分けられると考えられる。(①~⑥)
①(~2:31)
曲は低音で静かに始まる。なお、この曲の最初のフレーズは、琴古流本曲中でも基本の一曲とされている『一二三鉢返調』と共通している。後述するように、『月の曲』にはほかにも『一二三鉢返調』との共通点があり、荒木竹翁は意識して作曲したのではないかと推測される。
『月の曲』ではほとんどの琴古流本曲と同様に、主としていわゆる都節音階が用いられている。①ではFis(ファ#)を主音とする、Fis-G-H-Cis-D(ファ#ーソーシード#ーレ)の都節音階である。
高音で盛り上がりを見せたあと、ふたたび低音に戻りおさまって①が終わる。
②(2:31~4:00)
この部分では、都節音階が4度下に転調するような形で、Cis(ド#)を主音とするものに変わる(Cis-D-Fis-Gis-A(ド#-レ-ファ#-ソ#ーラ))。ただし、2:55と3:40の二度、A(ラ)の音があらわれる。このように音階外の音を部分的に使用する手法は、のちにも表れ、この曲の特徴とも言える。
③(4:00~5:35)
この部分では、②でみられた都節音階+A(ラ)という手法がさらに発展し、①と②でそれぞれ用いられた2つの都節音階のハイブリッドのような形になる。2つの都節音階に共通するCis-D-Fis(ド#-レ-ファ)に加え、G,Gis,A,H(ソ,ソ#,ラ,シ)の4つの音を自由に使って展開していく。低音で一度おさまって終わる。
④(5:35~7:10)
曲中もっとも高音での盛り上がりをみせる部分で、尺八本曲用語でいう“高音”(たかね)に該当する部分である。
この部分の冒頭は、『一二三鉢返調』のうち「鉢返」と呼ばれる部分の冒頭と同じフレーズで始まる。『一二三鉢返調』の構成を意識していると感じられる部分である。
④の最大の特徴は、③で使用されたハイブリッド音階を引き継ぎながらも、主音となるべき重要な音であるはずのCis(ド#)が最後まで使用されないまま展開することにある。そのために、解決感が得られないまま高音部が進行し、しばらくしてからAis(ラ#)というこれまでのどの音階にも属さない音があらわれて(7:01)、そのまま終わる。
⑤(7:10~9:47)
終結部である⑥への橋渡しのような役割をもつ部分である。③の音階に戻り、中音域から徐々に下降していく。
特筆すべきは後半(8:26~9:47)である。この部分は『一二三鉢返調』の後半と全く同一なのである。そのうち8:26~9:19は、『一二三鉢返調』に荒木竹翁が付け足した部分(一般に「竹翁先生入レコノ手」と呼ばれる)で、9:19~9:47は『一二三鉢返調』の終結の直前のフレーズである。
さらにいえば、「竹翁先生入レコノ手」は『波間鈴慕』という別の琴古流本曲の後半部と同一で、そこからの引用と考えられている。なぜ荒木竹翁がこの『波間鈴慕』のフレーズを二度にわたって引用したのかは不明だが、興味深い点である。
⑥(9:47~)
Cis(ド#)を一息で2オクターブ上げるフレーズは月の出をイメージしているといわれ、楽譜(三浦琴童著)には「月ノ昇ル気持」と記されている。
10:33頃からは音階がガラリと変わり、民謡音階と呼ばれる明るい音階で、低いGis(ソ#)から高いCis(ド#)まで上昇する(11:41)。音高が上がりきった後はAis(ラ#),F(ファ),Dis(レ#)といった、これまでのどの音階にも属さない音が多用される不思議な曲調となって、曲が終わる。
(文・青木滉一郎)
2022年4月 真秀3rdアルバム『令月風和』発売予定。
「令月」
1月の曲  
2楓の花  
3水の変態 
4尾上の松 
「風和」
1ソーランスケルツォ
2original a-2
3天満月
4Summer
5あかるい夜 
6炎
7花舞   
8鐘楼                  
9BEGINメドレー
10東風
11original a-1 
12真美夜
13残響散歌
14まほろば
配信限定:百花譜 群青
CDのご予約は公式HPから↓↓↓
www.mahora-knkn.com/blank-5
和楽器アンサンブル 真秀 1stアルバム 真秀 ーMAHORAー、2stアルバム 真秀 ーやわらかいそらー発売、配信中。
和楽器アンサンブル 真秀プロフィール
 
“まほら” 「まことにすぐれた場所」意味をし、古事記や万葉集に用例のある和詞。まほろば。「和楽器アンサンブル 真秀」は、日本の伝統楽器である箏・三絃・胡弓・尺八の魅力を現代に発信するべく、東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業したメンバーによって2016年から活動開始。古典音楽の「まほらな音世界」を伝承する一方で、伝統楽器を深く理解したメンバー自身が作・編曲を手がけ、楽器の可能性を拡げている。全国各地はもちろん海外でも、数十人〜数千人規模の会場まで、多様な演奏活動を展開。また、自身による作・編曲作品の演奏動画をKZreadに公開中。動画の総再生回数は1000万回以上。
Japanese traditional musical instruments ensemble "MAHORA"
All of the members are professional players, and with the tone of refined Japanese musical instruments, let 's enjoy the "unusual sound world".
They want to disseminate the charm of traditional music to contemporary Japanese, they are doing performances using that koto · shakuhachi · shamisen from that thought.
In 2010, they formed a graduate of Tokyo National University of Fine Arts and Music, and started full-scale activities from 2016.
Besides classical songs, members themselves are arranging and composing, they are challenging various songs pursuing the limits of Japanese traditional musical instruments.
Performance videos delivered on KZread exceeded 6 million total views.
-やまとは國のまほろばたたなづく 青垣山隠れる山としうるわし-
「 まほら」とは万葉集にも見られる言葉で「真秀」と書き、真に秀でたという意味になる。
ーYamato is the best place "Mahoro" in the country. A mountain of overlapping green fences, Yamato staying in it is beautifulー
"Mahora" in the word that is also found in Manyoshu tanka collection , meaning it was truly outstanding.
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真秀ホームページ 
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Пікірлер: 3

  • @mahora9413
    @mahora94132 жыл бұрын

    ✨3rdAlbum【令月風和 】発売記念コンサートを開催します。✨ 約2年ぶりとなるコンサートの開催が決定しました! 昼公演はポップス・現代曲を中心としたカジュアルなコンサート、夜公演は古典曲から洋楽までさまざまジャンルを和楽器アンサンブルで楽しんでいただきます!皆様のご来場を心よりお持ちしております❗️ チケット予約は真秀HPにて受付中です。↓↓↓↓ www.mahora-knkn.com/ツアー

  • @kazualfa1310
    @kazualfa13102 жыл бұрын

    新春の天なのに・・・・ 今の世界は秋深い月夜かの様な気がする・・・ あと少し先の未来へ歩みを・・・・ 素敵な音色でした😑

  • @user-vm7rc9pt2d
    @user-vm7rc9pt2d2 жыл бұрын

    初めまして、本来は演奏しながらアストラル界にイメージ『夜の月明かり』 そして『日本の鎮魂や平安な光景』を投入する曲だとお見受け致します。 動画を拝見する限りは『八百万の神々様への奉納』の想念部分のみな気がしました🌙 裏のアストラル界へのエネルギー投入、頑張ってください! 素敵な演奏、ありがとうございました✨

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