ほらね、
作詩：いとうけいし　作曲：まつしたこう
指揮：朝見陽介　　　ピアノ：樹下沙和
2021年2月28日(日)
混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ第43回定期演奏会
愛知県芸術劇場コンサートホール
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本日はご多忙の中ご来場いただき、またライブ配信をご視聴いただき、誠にありがとうございます。
今年度は思うような活動ができませんでした。これまで当たり前だと思っていた日々の練習のみならず、全日本合唱コンクール、信州大学混声合唱団とのサマージョイントコンサート、春と夏に予定していた合宿など、長い時間をかけて準備し、楽しみにしてきた行事もなくなっていきました。無力感とやりきれない思いが、私たちを重苦しく支配していました。
ですが、私たちは歩みを止めませんでした。4月からZoomを用いたオンライン練習を実施しました。音声にずれが出てしまうため、アンサンブルを楽しむことができず、対面練習との乖離に戸惑いを隠せませんでした。そんな状況でも、少しでも楽しく、力になる練習を目指して、試行錯誤を繰り返してきました。また、一人一人が家で録音した歌声をミックスして合唱作品にする多重録音にも挑戦しました。これらは従来の活動と比較すると味気なく、物足りないものです。しかし、少しでもいいから、普段と違った形でもいいから、合唱をしたい。この一心で、オンラインでの活動を続けました。
そして9月中旬、遂に対面での合唱活動を再開させることができました。半年以上思い切り声を出せていないため、思うように声が出ませんでした。しかし、互いに苦笑いを交わしながらも、合唱って楽しい！ということを改めて感じたあの瞬間は、きっと生涯忘れないことでしょう。
その日以来、仲間と心をひとつにして音楽を奏でることの喜びと尊さを感じながら、練習に励んでまいりました。失われた時間を取り戻すことはできない分、残された時間をもっと濃密なものにする。この想いの下、団員一人一人が曲と真摯に向き合ってきました。
私たち学生には「来年」がありません。ひとつひとつの活動がかけがえのないものであり、一度失ったら取り戻すことはできません。だからこそ、私たちは限られた時間を精一杯生き、自分たちの想いを伝えるために全身全霊で歌うのです。
そんな私たちの1年間の集大成を、どうぞ最後まで存分にお楽しみください。
（プログラムノートより）
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