クルージュ県マルティネシュティ湖で6日、竜巻現象らしき異常な気象現象が発生した。複数の漁師らが目撃したところによると、この日は激しい雷雨に見舞われる最中だった。するとある時、湖面から突如、水柱が渦を巻くように円錐形に巻き上がり始め、高度数百メートルにも及ぶ規模となった。
目撃者の一人は「最初は空から吹雪が舞い降りてきて、それに続いて湖の水が渦となって上空高く舞い上がっていった。轟音が辺りに響き渡り、まるで竜巻のようで、恐ろしい光景だった」と振り返る。別の漁師も「あの渦がもし家屋に直撃していれば、屋根を簡単に吹き飛ばしていただろう。発生当初は小さかったが、次第に大きくなり、やがては水しぶきを巻き上げながら空高く舞い上がっていった」と証言した。
現場では一人の漁師のボートが竜巻に巻き込まれ、転覆する被害も出た。周辺地域でも竜巻による被害が出たかは不明だが、目撃者からは「あの轟音は家々にも聞こえていたはずだ」との話もあり、一帯に住む人々を恐怖に陥れた可能性が高い。
気象学者らは「この現象は、積乱雲の下で強い上昇気流が発生し、地上の水を巻き上げたものだ」と分析している。ルーマニア北西部では同日、他の地域でも激しい雷雨に見舞われ、一部で冠水被害が出るなど、異常な気象現象が相次いだ。気象当局は事前に竜巻注意情報を出すなど、住民らに警戒を呼びかけていた。
竜巻の発生は全世界的に珍しいことではないが、湖面から発生し、しかも水柱が高く舞い上がった点で、極めて異例の現象と言えるだろう。専門家らは「湖の水が多量に含まれていたことが、こうした大規模な現象を引き起こした可能性がある」と指摘し、より詳しい分析を重ねている。
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