いま、新幹線延伸を機に生まれ変わる札幌駅周辺。
大型の商業施設や、オフィスビル。
きらびやかなホテルなど、新たな街並みが顔を見せようとしています。
そして再開発の象徴の一つとも言える新幹線札幌駅の建設も進んでいます。
工事が進む中、先行きを左右しかねない、重大なニュースが…。
■鉄道・運輸機構藤田耕三理事長：
「２０３０年度末の開業はきわめて困難という判断にいたった。」
札幌駅周辺の未来の形と、不透明な要素…。最新情報をまとめました。
変わる札幌駅周辺。
まずは、札幌駅の南側、北５西１・西２地区エリアです。
■黒澤圭介記者：
「道路を挟んで西と東。どちらにも新たなビルができあがります。」
去年８月に惜しまれながら閉店したエスタ。今後は解体され、その跡地を含む、北５西１・西２地区に建設予定のビルです。地上４３階、地下４階、高さは道内一となるおよそ２４５ｍ。商業施設やバスターミナルなどが入ります。そしてその夜の姿がこちら。
ガラス張りのビルからは、都会的な光がこぼれる空間に。さらに、旧・エスタ前の歩道は今より広くなり、緑があふれる空間に。椅子やテーブルなどが設置され、市民の憩いの場となります。低層階側の屋上には自然と触れ合える憩いのスペースに。
高層棟の最上階にはガラス張りの展望台が作られ札幌の街を見下ろすことができるようになります。
■黒澤圭介記者：
「西一丁目側の駅ビルと直結となる新幹線の駅の工事も進んでいます。」
１０両編成・全長２５０メートルに及ぶ新幹線。
創成川をまたいだ新幹線ホームに隣接したスペースには巨大な吹き抜けのアトリウムが完成予定です。在来線のタ－ミナル、札幌駅にも変化が…改札口周辺のいわゆる「エキナカ」。今は通行止めの東西の通路には、商業施設が集約されショップやレストランを計画。店舗の総面積も以前と比べて２倍となる予定で、乗車前後の買い物がとても便利になります。
また、駅の北側の完成イメージも明らかに！ガラス面を多くすることで空間を明るく演出。１階部分は札幌らしいレンガの温かみがある場所に生まれ変わります。
■黒澤圭介記者：
「この地区の建物は夏には解体され、大きな建物ができます。」
次は再び駅前に。札幌駅の目の前、北４条西３丁目地区です。
旧札幌西武跡を含む、北４条西３丁目地区の再開発。
地上８階建ての部分を含む３２階建てのビルが建設される計画です。
物販や飲食店が入る商業施設ゾーンの中心となるのは、家電量販店のヨドバシカメラです。地下３階から８階までの、なんと１１フロアを占めることになり、売り場面積はいまの札幌店の３倍以上です。
１日平均５万７０００人が乗り降りする地下鉄南北線のさっぽろ駅。
新幹線の札幌延伸や再開発ビルなどの完成で１日平均８万２０００人にまで増加する見込みです。
そして、北４西３の再開発ビルの地下１階は、南北線・地下鉄さっぽろ駅に直結します。
それに合わせて、札幌市は混雑を解消のために、南北線のホーム拡張工事をはじめました。
現在のホームを麻生方面専用に、新たなホームを真駒内方面専用とします。
北６条東２丁目、創成川の東側も再開発が進んでいます。
■黒澤圭介記者：
「創成川の東側、タワーマンションと並ぶガラス張りの建物。これは実はホテルなんです。」
建設が進むのは来年４月に開業予定のホテル「ＳＡＰＰＯＲＯＨＯＴＥＬｂｙＧＲＡＮＢＥＬＬ」。
新幹線が札幌まで延伸すると、駅東口が目の前となります。
■ベルーナ開発企画本部安野洋本部長：
「４つ星ホテルということで、我々の「バイグランベル」というブランドの２個目。部屋の大きさが１番小さくても２５平米以上からという、プレミアムなゆったり感がある部屋となってます。」
敷地面積はおよそ５７００平方メートルで地下２階地上２６階建て。札幌中心部では最大級の６０５の客室を誇ります。２５階には温泉を使った大浴場やサウナもあります。
さらに最上階の２６階には、高さ１００ｍから夜景を楽しめるレストランが。
こちらも新たな札幌の名所になりそうです。
■ベルーナ開発企画本部安野洋本部長：
「快適にご家族や友人の方と楽しく過ごしていただき、観光の拠点となればと思います。
」未来の全貌が明らかとなった札幌駅前の再開発。
その一方で、当初２０３０年度末の札幌延伸を目指していた新幹線はというと…。
■鉄道・運輸機構藤田耕三理事長：
「２０３０年度末の開業はきわめて困難という判断にいたった／（新幹線の札幌延伸）開業時期の目標を年単位でお示しすることは技術的に困難で、あえて言えば数年単位の遅れ。」
開業予定の具体的な見通しが立たなくなっているのが現状です。
札幌駅周辺の再開発スケジュールへの影響はどうなるのでしょうか？
■ＪＲ北海道綿貫泰之社長：
「（駅前の再開発は）新幹線の遅れに関係なく予定通り進めていきたい。」
今年３月北陸新幹線では金沢ー敦賀間が延伸しました。この延伸は目標から１年遅れての開業です。
■青森大学櫛引素夫教授：「結果的には（延伸が）１年遅れたにもかかわらず、まだ中心市街地の整備が進んでたりする。開業にちょうど（再開発）がぴったり合うのに越したことはないですけど、そこで浮き足立っちゃうこと自体が非常にリスクを増すという気がしますよね。」
青森大学の櫛引教授は、新幹線の開業と駅周辺の再開発時期に関して、他の地域でもズレがあったと話します。
■青森大学櫛引素夫教授：
「期限が見えない状態で延期が発表されたってのはほんとに異例なので、そういう意味では不安材料としては本当に大きいんですけれども、／新幹線を使ってどう新しい北海道、新しい社会を作り直すのか、地に足がついた議論を始める１つの契機として捉えてはどうかなとすごく感じます。」▼HTB北海道ニュース　公式サイト
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