【高校地理】3-3. 季節風(モンスーン)、局地風、熱帯低気圧 | 3. 世界の気候

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高校地理の授業動画、「世界の気候」の第3回は、「季節風(モンスーン)、局地風、熱帯低気圧」です。
季節風の吹くしくみなどを、分かりやすく解説したいと思います。
前回動画の大気大循環では、
世界全体の大きな風の流れについて学びました。
しかし、風が吹く仕組みは、大気大循環だけではありません。
大気大循環をベースとして、それ以外にも様々な力が働くことで、
ある場所にどんな風が吹くかは決まります。
今回の動画では、大気大循環以外の風として、
季節風、局地風、熱帯低気圧をみていきます。
先ずは季節風。
季節風はモンスーンとも言いますが、
文字通り、季節によって向きが変わる風のことです。
季節風が最も顕著に見られるのは、
日本を含む東アジアから、東南アジア、インドなど南アジアにかけての地域です。
こちらの図のように、
7月には海から陸に向かって風が吹いています。
しかし1月になるとこのように風の吹く向きが変わって、
陸から海に向かって風が吹くようになります。
なぜ季節によって風向きが変わるのでしょう。
その理由は海と陸地の比熱の違いにあります。
2つ前の動画、世界の気温の動画の中にも比熱の説明がありますが、
海と陸地を比べると、海の方が比熱が大きいため、
海は温まりにくく冷めにくい、
陸地は温まりやすく、冷めやすいという性質があります。
そのため、夏になると、
海と陸地を比べると、陸地の方が気温が高くなります。
イメージとしては、砂浜のビーチは裸足で歩けないほど暑いけど
海の中は冷たいというような状態です。
すると、海より陸地の方が空気が温かくなって、
温められた空気が軽くなることで、上昇気流が発生します。
空気が上空に行ってしまうので、地表付近は空気が少なくなり、
低気圧帯となります。
そこの空気を補おうとして、海から陸地に向かって空気が流れ込みます。
こうして、夏は海から陸地に向かって風が吹くことになります。
冬には、これが逆になります。
陸地が寒くなる一方で、海はそれほど冷たくなりません。
すると、気温が高い海の方に上昇気流が生じ、海の上に低気圧帯が生まれます。
冷たくなって空気が下がってくる陸地側には、高気圧帯が生まれます。
こうして、冬は陸から海に向かって風が吹くことになります。
以上が、季節風の向きが夏冬で逆になる仕組みです。
ここまで聞いて、
「偏西風はどこに行ったの?」
と考えるかもしれませんが、偏西風は西から吹いてくるので、
ヨーロッパの方では偏西風の影響が大きいのですが、
大陸の上を通ると山にぶつかったり地面との摩擦が起こったりして、
ユーラシア大陸の東側では影響がすごく小さくなってしまいます。
そのため、東アジアから南アジアでは、
偏西風よりも夏と冬の気温差の方が、
風を引き起こす力として強くなるので、
季節風が吹くことになります。
こちらの映像は、地表付近で吹いている風を
リアルタイムで表示してくれるnullschoolというサイトの映像なのですが、
本日は8月1日、夏ですが、
南アジアから東南アジアにかけて、
先ほどの図のように
このように南西から北東に向かって風が吹いていることが確認できます。
なお、海から北に真っ直ぐに風が吹かないのは、
前回動画でも出てきた「コリオリの力」の影響によるものです。
さて、この季節風によって、東アジア、東南アジア、南アジアでは、
季節によって降水量が大きく異なります。
(降水量の図)
1月には大陸からの乾燥した風が吹くため、
降水量が少なくなっています。
しかし7月、夏には海からの風が吹くため、
湿った空気が流れ込んできて、
たくさんの雨が降ります。
季節風のもたらすこの雨が、アジアに稲作を支えてきました。
東アジアから東南アジア、南アジアは、
季節風の影響で季節によって降水量が大きく異なることから、
「モンスーンアジア」とも呼ばれます。
さて、7月の降水量の図の中で、
特に雨の多いこの地域、インド北東部の
アッサム地方やダージリン地方と呼ばれる場所に注目してみましょう。
この地域では、海から吹いてきた湿った風が、
ヒマラヤ山脈にぶつかって上昇することで雲ができて、
多量の雨がもたらされます。
このようなパターンの雨の降り方、
山に風がぶつかって上昇することで雲ができるパターンの雨を、
「地形性降雨」と言います。
この地形性降雨によって、
アッサム地方やダージリン地方は、
世界で最も雨の多い地域となっています。
世界一雨の多い場所の一つとして知られるインドのチェラプンジという場所は、
年平均降水量が10,000m超え、
過去最高記録では何と、1年間に26000mmという凄まじい量の雨が降りました。
東京の年降水量が約1500mmであることを考えると、
ものすごい量の雨であることが分かるかと思います。
アッサムティーやダージリンティという名前、
紅茶の銘柄として聞いたことがあるかもしれませんが、
この多量の夏の雨と、秋から冬の乾燥、
そしてヒマラヤ山脈に向かう山の斜面や涼しさが
お茶の栽培に適しており、世界的な茶の産地になりました。
なお、インド西側のこの部分も7月の雨が特に多くなっていますが、
ここも、ここにある西ハーツ山脈という山脈に季節風がぶつかることで雨が降る
「地形性降雨」の代表例です。
続いては、「局地風」です。
「局地風」とは、限られた地域、その地方にだけ吹く風のことです。
例えば、今私のいる群馬県では、
毎年冬になると山からとっても冷たくて乾燥した風が吹き降ろしてきます。
この風は「からっ風」と呼ばれています。
こんな風に、その地域にだけ特徴的に吹く風に
名前をつけて呼んでいるのが「局地風」です。
世界中色々なところで局地風は見られるのですが、
高校地理では主にヨーロッパの局地風をみていきます。
覚えておきたい局地風はこちら。
フェーン、ミストラル、ボラ、シロッコです。
この中で一番覚えておきたいのは、
「フェーン現象」の名前の由来にもなった風、「フェーン」です。
「フェーン」とは、南からアルプス山脈を越えて
スイスやドイツに吹いてくる暖かくて乾燥した風です。
断面図で見てみると、
先ず南から、地中海を通った湿った風が吹いてきて、
アルプス山脈にぶつかって、上昇していきます。
こうして上昇するときに空気の温度が下がりますが、
実は、気温の逓減率というのは、
平均は0.65℃と以前の動画で解説しましたが、
空気が湿っているほど小さくて、乾燥しているほど大きくなります。
例として、20度の湿った空気が、標高2000mの山にぶつかったとしましょう。
湿った空気の気温の逓減率は、0.5℃くらいです。
すると、2000mの上昇で10℃低下するので、気温10℃の空気になります。
しかし、上昇することで雲ができて雨が降るので、
山頂を超える頃には乾いた空気になっています。
乾いた空気では100mで1℃くらい温度が変わるので、
2000mの高さから降りてくると、温度が20℃上がって、
30℃の暑くて乾燥した空気になります。
このように、山を超えることで空気が暑く、乾いた空気になることを
「フェーン現象」といい、日本の夏にも見られる現象です。
その他の局地風についても見ていきましょう。
ミストラルとボラは、北から吹いてくるので、
乾燥した冷たい風です。
シロッコは、サハラ砂漠から砂と一緒に吹いてくる高温多湿な風です。
フェーン以外の局地風は、名前と場所、
それと、熱いか冷たいか、乾燥しているか湿っているか、だけ覚えておけば十分です。
最後は、熱帯低気圧です。
熱帯低気圧とは、ようは台風のことです。
台風が発生する詳しいメカニズムは理科にゆずるとして、
地理では、台風というのは、赤道近くの海で生まれて、
それが陸地の方にやってきて、いろんな被害をもたらす、くらいで考えて、
どこにどんな被害をもたらすのか見ていきましょう。
台風は、ものとしては同じなのですが、
場所によって異なる呼び方をされます。
日本にやってくるのは「台風」ですが、
インド洋や南太平洋では「サイクロン」
アメリカ南部では「ハリケーン」と呼ばれます。
熱帯低気圧は強い雨風をもたらしますが、
気圧が低下するため、海面が吸い上げられて「高潮」と呼ばれる現象がおきます。
高潮は、特に海抜の低い地域に、暴風雨とともに海水が入り込むような大きな被害をもたらすことがあります。

Пікірлер: 95

  • @user-vx3ki1rt4i
    @user-vx3ki1rt4i4 жыл бұрын

    【動画の目次 & 確認問題】 ◆今回の動画の目次は以下のとおりです。 0:35 季節風(モンスーン) 2:34 季節風の映像 3:04 季節風のもたらす雨 5:13 局地風 7:36 熱帯低気圧 ◆今回の動画の確認問題はこちらです。 forms.gle/ZGwfKD49tcwEFkmf6

  • @user-qy9fp2if6b

    @user-qy9fp2if6b

    3 жыл бұрын

    確認問題とても嬉しいです

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    ありがとうございます!

  • @user-hl5bl3cx1v

    @user-hl5bl3cx1v

    3 жыл бұрын

    新しいの待ってます!

  • @user-jn8me4op7l
    @user-jn8me4op7l3 жыл бұрын

    先生が授業で、分かりやすいから見なさいと言ってました😃😃

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    なんと!高校生だけでなく、そんな風に勧めていただいた先生がいたとは驚きです。どうぞよろしくお伝えください。

  • @Saaosoujiosouji
    @Saaosoujiosouji2 жыл бұрын

    日本史より地理が好きだったから地理取ってわからずに絶望してたけどこの人が希望を見せてくれた

  • @imi8155
    @imi81553 жыл бұрын

    まじでわかりやすすぎる!!! ありがとうございます!!

  • @user-th7yd8qz2b
    @user-th7yd8qz2b2 жыл бұрын

    とっても簡潔にまとめてくれてありがとうございます フェーン現象がわかりやすかったです!!

  • @user-mu2xo5se8d
    @user-mu2xo5se8d3 жыл бұрын

    ガチ助かってます!!これからもよろしくお願いします!

  • @user-gj6ex2td1k
    @user-gj6ex2td1k8 ай бұрын

    共通テストでは知識だけでなく、その現象が起こるバックグラウンドを問う問題が多い印象があるので、先生の解説はとても有益です。ありがとうございます。

  • @yamasui3696
    @yamasui36963 жыл бұрын

    定期テスト前は色々な勉強KZreadrにお世話になるのですが、地理は誰一人知らなかったので、すごく助かります!先生よりもわかりやすいです😭😭これからの活動応援してます!

  • @user-sy6mh3jp5h
    @user-sy6mh3jp5h2 жыл бұрын

    すごくすごくわかりやすいです! 本当に動画を見る度に分かりやすさに感動します🥺 最高の動画をありがとうございます、お疲れ様です🙇‍♀️

  • @user-zb1ke2lk2r
    @user-zb1ke2lk2r Жыл бұрын

    わかりやすかったです!

  • @INOKEN4545
    @INOKEN45454 жыл бұрын

    めちゃめちゃわかりやすい 感動です👏👏

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    4 жыл бұрын

    そう言っていただけて嬉しいです!これからも、勉強に利用してもらえれば何よりです。

  • @user-io8yr4do3t
    @user-io8yr4do3t2 жыл бұрын

    ハキハキ喋っていてとても分かりやすいです!!

  • @BLUEch._.
    @BLUEch._.9 ай бұрын

    この人、神やん

  • @user-ig8po2ti2o
    @user-ig8po2ti2o3 жыл бұрын

    高校の先生が分かりにくすぎて困ってました・・・わかりやすすぎ

  • @user-ek3nl5im2e
    @user-ek3nl5im2e2 жыл бұрын

    授業中にみんなで動画みました! テスト勉強ですごく役に立っています! ありがとうございます!

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。そのような形で使っていただいて、大変光栄です。学校の先生にもよろしくお伝えください。

  • @hikari0741
    @hikari0741Ай бұрын

    がちありがとう大好きです定期いけそうです

  • @st-bo8mv
    @st-bo8mv2 жыл бұрын

    テスト期間めっちゃコメントしてるからまた同じコメントかよって感じだけど本当に助かってます(>_

  • @lomeright.
    @lomeright. Жыл бұрын

    学生ではないですが…。 文系学生だったもので何かと知らないことばかり。某子供相談のラジオ番組のおかげで科学分野に興味ばかりです😑分かりやすい解説ありがとうございます!

  • @user-hz3nn8hs8h
    @user-hz3nn8hs8h9 ай бұрын

    もっと伸びて

  • @nigedareeeeeee1467
    @nigedareeeeeee1467 Жыл бұрын

    救世主です 頭の中が整理されていきます

  • @user-pj6nw9gm1d
    @user-pj6nw9gm1d9 ай бұрын

    びっくりするぐらい頭に内容入ってきた!! 疑問だったところが気づいたら解決してた笑

  • @motokichannel6198
    @motokichannel61982 ай бұрын

    面白かった。昭和時代の小中高では地理の成績はかなり良かったが、ボラ、ミストラル、シロッコなんて習いませんでした。

  • @user-oo8ge5tf3u
    @user-oo8ge5tf3u Жыл бұрын

    今年はどの範囲まで動画を上げるご予定ですか?

  • @user-op8xw7kv8b
    @user-op8xw7kv8b3 жыл бұрын

    カラーの資料が多くてとても分かりやすいです! 国立理系志望で共通テストで地理を選択しているので、動画を参考に勉強しています。 年内に一通り動画がアップされるとありがたいのですが、今後の予定を教えていただけると助かります。

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。分かりやすいと言っていただけて嬉しいです。年内には恐らく「世界の農林水産業」あたりだと思います。今年の受験生の皆さんには申し訳ないですが、アップできる範囲だけでも、参考になれば幸いです。

  • @user-op8xw7kv8b

    @user-op8xw7kv8b

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i ありがとうございます!

  • @byza453onin67
    @byza453onin672 жыл бұрын

    ロジカルな説明で非常に記憶に残る動画ありがとうございます! 夏が陸地が暑くて、陸地に上昇気流が発生することは納得できるのですが、冬って、海は確かに気温よりかは暖かいのかもしれませんが、陸地より暑くて、夏のモンスーンの逆転現象が起こるとは思えないのですが、、、冬のモンスーンの方が弱かったりしますかね...

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。陸地は内陸部ではマイナス数十度になる一方で、海水は0度以下になることは無いので、気温差という点で言うと海の方がずっと温かいのです。夏よりむしろ冬の方が温度差は大きいくらいです。

  • @byza453onin67

    @byza453onin67

    2 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i ご返信ありがとうございます。なるほど、気温がマイナスになる地域に住んでないから実感できてないだけだったのかもしれません。確かに、海はマイナスになりづらいので、気温差で言えば相対的には海の方が暖かいことになるんですね。関係ないかもしれませんが、その温度差の影響なのか、冬の方が季節風?西側からの風が強いような気もします。

  • @user-sq9pn5md9l
    @user-sq9pn5md9l6 ай бұрын

    2次で地理を使う者です。もーーわかりやす過ぎて好きです救われました

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    6 ай бұрын

    頑張ってください!

  • @user-up5hb4ce7r
    @user-up5hb4ce7r3 жыл бұрын

    今回もテスト対策で利用させていただきます! ケッペンの気候区分も待ってます!

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。お待たせしてすいませんでした・・・。ケッペンの気候区分もアップしました。少しでも勉強のお役に立てれば幸いです!

  • @user-up5hb4ce7r

    @user-up5hb4ce7r

    3 жыл бұрын

    ありがとうございます!

  • @user-ih3sx8yz1x
    @user-ih3sx8yz1x4 жыл бұрын

    いつも勉強させてもらってます! 系統地理いつまでに終える予定ですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    4 жыл бұрын

    未定です…。週に1本動画を作ったとして、今年度中にいけるのは「資源・エネルギー」のあたりかと思っています。多くの学校の授業でやっている範囲より、動画で扱っている単元が遅くなるでしょうが、ご理解ください。

  • @yuzuosu3357
    @yuzuosu3357 Жыл бұрын

    くそおもろい

  • @user-ge9en2tk4y
    @user-ge9en2tk4y3 жыл бұрын

    ケッペン気候区分も見てみたいです!!

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    現在鋭意作成中なので、もう少々お待ちください。。。!

  • @user-ge9en2tk4y

    @user-ge9en2tk4y

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 楽しみにしてます!!

  • @ao.9697
    @ao.96972 жыл бұрын

    質問です😖❕ 大陸と海洋の比熱の違いによって季節風が発生して、当然そのときに上昇気流や下降気流が発生しますが、大気大循環で大まかに低圧帯と高圧帯が区別したのに、たとえば、亜熱帯高圧帯なのにどうして比熱の違いによって上昇気流が生じてしまうことがあるのかがわかりません。大気大循環の風と季節風の風は吹いている高度が違うとか、何かそう言う違いがあるのでしょうか?そうでなければたとえば亜熱帯高圧帯でできた上昇気流なんてどうして存在することができるのかが理解できません。。 亜熱帯高圧帯ではずっと下降気流が生じているのだから、上昇気流が発生しそうになっても互いに相殺したりすると思うから上昇気流なんて発生しないと思うのです。。 また、季節風は海と陸はどこにでもあるのだから、どこでもいつでも年中吹いているように思うのですが、どうしてアジアしか季節風の影響を受けていないのですか? ふたつとももしかしたらすごく変な質問なのかもしれません。調べても調べても思うような回答が見つからなかったので... どうか回答よろしくお願い致します😭

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    大変ご丁寧な質問、ありがとうございます。このような真摯なコメントいただけて光栄です。 非常に本質的な質問だと思います。大気大循環、季節風を別々に学習するのでそのつながりがわからなくなるのは自然なことだと思います。結論から言うと、大気大循環と季節風は矛盾していません。 熱帯収束帯や亜熱帯高圧帯は季節によって移動するために、例えば7月には、熱帯収束帯が東南アジアやインドの北部まで北上します。 ja.m.wikipedia.org/wiki/熱帯収束帯 つまり7月には、中緯度高圧帯が生じている場所で上昇気流が生じているのではなく、そもそもそこは中緯度高圧帯ではなく、熱帯収束帯になっているのです。 高校生なら帝国書院の地図帳をお持ちかと思うので、後ろのほうのページの、1月と7月の気圧配置が載っているページを見てみてください。熱帯収束帯や注意と高圧帯と言うのは、きれいな帯状に分布しているわけではなく、ぐにゃぐにゃと変形しながら、ぶつぶつと途切れながら分布していることがわかります。それぞれの季節において、太陽からの熱エネルギーが大きいために上昇気流が生じている場所を熱帯収束帯と呼んでいて、下降気流が生じる場所を中緯度高圧帯と呼んでいるだけなのです。 また、地図帳の同じページには別の地域での季節風も掲載されています。季節風はアジアのみならず他の地域でも吹いているのですが、とりわけ顕著に発生するのがモンスーンアジアなのでそこだけを高校地理では取り上げているだけです。

  • @user-fi3wn7nd7d
    @user-fi3wn7nd7d8 ай бұрын

    とても分かりやすい解説ありがとうございます。2つほど質問があります。気温の低減率の違いは水と空気の比熱によるものでしょうか?台風の進路はコリオリの力によるもので偏西風や貿易風の影響などは受けないということでしょうか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    8 ай бұрын

    逓減率の違いはその通りです。台風の進路は、偏西風や貿易風の影響を大きく受けますが、そもそも偏西風や貿易風がコリオリの力で生じているものです。

  • @tn8760
    @tn8760 Жыл бұрын

    わかりやすい授業をありがとうございました✨ 質問なんですが、1月のモンスーンは偏西風の影響を無視しているように見えるのですが、それは謎ですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    Жыл бұрын

    1月の偏西風はモンスーンアジアより北に位置しているため、無視しているわけではありません。1月にはこの動画で表している地域が偏西風影響下には無いと考えてください。具体的な風の位置は、地図帳の後ろの方に掲載されているので確認してみてください!

  • @user-yo3zm9bv5l
    @user-yo3zm9bv5l Жыл бұрын

    亜熱帯高圧帯から赤道の方へ吹く貿易風があるのに、どうして7月の季節風は上に向かって吹くことができるのでしょうか?そこがずっと謎のままなので教えていただきたいです🙏

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    Жыл бұрын

    お返事が遅くなってすいません。7月には熱帯収束帯の位置が北上して、インド北部に位置するようになるので、7月の季節風は熱帯収束帯に向かっ北向きに吹いていることになります。

  • @coili3710
    @coili37103 жыл бұрын

    なぜアジアの東側は降水量が多いのか というものを授業でやったのですが、よく分からなかったのでどういうことか教えてもらってもよろしいでしょうか…

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    「季節風の影響が大きく、夏には海からの季節風が暖流の上を通って吹いてくるから」というくらいが、最もシンプルな説明かと思います。アジアの東側といっても、例えば韓国などは冬には大陸からの乾いた季節風の影響が大きくなるので降水量が冬には少なくなります。

  • @coili3710

    @coili3710

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 参考になりました‼︎ ありがとうございます😊

  • @st6154
    @st61542 жыл бұрын

    暖かい空気は膨張し上昇すると思うのですが、フェーン現象で見られる、空気が温まりながら山沿いを下降していくメカニズムはどういったものなんでしょうか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    非常に鋭い疑問だと思います。温まりながら下降するというよりも、下降するから温まると考えられます。空気が下降すると気圧が上がり、空気は圧縮されるため、気温が上がります。より詳しくは、熱力学の断熱圧縮という現象を調べてみてください。

  • @st6154

    @st6154

    2 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i ありがとうございます❗️調べてみます!

  • @user-gs1xw6se1o
    @user-gs1xw6se1o11 ай бұрын

    受験生です。 地理をまず一通り網羅するにはどういった勉強が良いですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    11 ай бұрын

    地理は用語の暗記より統計の読み取りや推測の練習が重要なので、とにか薄くまとまっている問題集を先ずは1冊完璧にして、次に別の薄い問題集にかかるのが良いと思います。分厚い参考書を全部読もうとするのは受験生にはオススメしません。

  • @user-ol7bi6lt3u
    @user-ol7bi6lt3u3 жыл бұрын

    台風が北上する理由がよく分かりません。 亜熱帯高圧帯から常に貿易風が吹いているのに、なぜ熱帯に吹き戻されず、北上するのでしょうか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    台風が北上するのも「コリオリの力」のためです。コリオリの力は緯度が高い場所ほど強くなるので(地球の直径が高緯度ほど急激に小さくなるので)、台風の北側と南側では、北側の方の風ほど横向きに流されて、南側の風はそれほど流されないので、北向きの力が大きくなって北に動きます。 参考に、以下のURLなどをご覧ください。 www.qzemi.com/junior/qbox/30

  • @user-qe6sb2bo3m
    @user-qe6sb2bo3m3 жыл бұрын

    北半球で考えた時、台風は時計回りでサイクロンは左回りに進んでいるのは何故なんでしょうか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。私の理解では、台風であれサイクロンであれ、北半球では左回りで、南半球では右回りかと考えていたのですが、そうでないケースもあるということでしょうか?恥ずかしながら勉強不足でお答えできないので、そのようなケースがあるようでしたら、むしろ教えていただけると有り難いです。

  • @user-qe6sb2bo3m

    @user-qe6sb2bo3m

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 返信ありがとうございます。 伝え方が下手で申し訳ないです。 動画の 8:06 で北半球では台風は時計回りにカーブするように動いていてサイクロンは反時計回りにカーブするように動いているように矢印があるのですが、何が影響しているのでしょうか? 地理の知識が乏しいので、よろしくお願いします。

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    あぁ、なるほど。勘違いしてました。これは、サイクロンの発生地域は緯度が低いために、貿易風に流されて西へと動いていくからです。日本に来る台風のように、もう少し高緯度側に来ると、今度は偏西風に流されて東方向へと進路を変えます。これを台風の「転向」と言います。転向が起こる位置、つまり偏西風帯に入る緯度は季節によって動くので、インド洋のサイクロンは、ものによっては東向きに進路を変えるものもあれば、貿易風に流されっぱなしのものもあります。 ja.m.wikipedia.org/wiki/転向_(気象)

  • @user-qe6sb2bo3m

    @user-qe6sb2bo3m

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 気になっていたので、知れてよかったです! ありがとうございましたm(_ _)m

  • @unknown-qi3ep
    @unknown-qi3ep Жыл бұрын

    学校の先生になって欲しい……

  • @user-jr3nt5tt7t
    @user-jr3nt5tt7t3 жыл бұрын

    恒常風と季節風が逆の場合も同時に吹いているのですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    恒常風と季節風が逆、というのはどのようなケースを想定しているのでしょうか?例えばモンスーンアジアであれば、季節によって熱帯収束帯の位置が大きく変わるため、季節風=貿易風と考えても構いません。

  • @user-jr3nt5tt7t

    @user-jr3nt5tt7t

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 理解出来ました!季節によって熱帯収束帯などの位置が変わるのを忘れていました。ありがとうございます!!

  • @user-63632
    @user-636322 жыл бұрын

    シロッコはサハラ砂漠から吹いてくる風なので、高温と言うとは理解できるのですが、なぜ乾燥しているのですか?砂漠と言うと乾燥というイメージがあるのですが…… また、ミストラルやボラが乾燥しているのは何故ですか? いつも利用させてもらってます!これからもよろしくお願いします🙏

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    シロッコは地中海の上を通るのでそこで水蒸気を受け取り、高温多湿になります!

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    2 жыл бұрын

    ミストラルやボラは内陸から吹いてくる風なので乾燥しています!

  • @user-63632

    @user-63632

    2 жыл бұрын

    返信ありがとうございます!! 納得できました、ありがとうございます🙏🏻

  • @user-ix5cu7ww8u
    @user-ix5cu7ww8u3 жыл бұрын

    お金払いたいレベルです笑 地理が苦手じゃなくなりました笑

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    コメントありがとうございます!地理が苦手じゃなくなった、とっても嬉しい言葉です!

  • @user-mr7xp9zr9r
    @user-mr7xp9zr9r3 жыл бұрын

    すみません、なぜ、低気圧の場所では海水が吸い上げられて高潮が生じるのでしょうか…??そこの原理がよく分かりません•́ω•̀)

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    するどい質問ですね!実は、この辺のメカニズムは物理学的にけっこう複雑なので、高校地理では理由がざっくりしか書かれていません。イメージとしては「気圧が低い」→「空気がそこに引っ張られる」→「海水もつられて引っ張られる」くらいでいいと思います。 もう少し詳しくは、以下のページの資料などをご覧ください。 www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/kaigan/kaigandukuri/takashio/1mecha/01-2.htm yrg.sci.kumamoto-u.ac.jp/lecture/presen/s5.pdf (←スライド14ページ目あたりから)

  • @user-mr7xp9zr9r

    @user-mr7xp9zr9r

    3 жыл бұрын

    地理を通して世界を知ろう! ありがとうございます!!!

  • @user-vc6nq6df2s

    @user-vc6nq6df2s

    Жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i 気圧とは大気の重さ。 低気圧は大気の重しが軽いので水を押さえつけられずに,水がせり上がって来ます。高気圧はその逆。 粘土板に思い切り手を叩き付けることを想像してください。圧がかかっている指の部分は押し下げられるし,圧のかかっていない指と指の間は粘土が盛り上がってきます。指の部分が高気圧,指と指の間が低気圧に相当します。 1気圧 1013hPa が水の高さ10メートルに相当しますから,1hPaあたり1cmの水面変化になります。例えば,965hPaの台風では気圧変化により50cmの潮位上昇です。これに大潮の満潮が当たると,潮位上昇はかなりの大きさになります。10年ほど前に枕崎の鰹節工場が海水に浸かりました。 参考になれば幸いです。 地理おたくですが本職は物理です。

  • @user-qy9fp2if6b
    @user-qy9fp2if6b3 жыл бұрын

    広告つけないんですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    今のところそのつもりはありません。

  • @user-lr2lm1nu2p
    @user-lr2lm1nu2p3 жыл бұрын

    群馬県にお住まいなんですか?

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    正確には住所は違いますが勤務校が群馬県で…、と、あんまり言うと学校を特定されてしまいそうなのでやめておきます笑

  • @user-lr2lm1nu2p

    @user-lr2lm1nu2p

    3 жыл бұрын

    そうなんですね。いつも分かりやすすぎる動画ありがとうございます🙇🏻 とても助かってます!

  • @user-vr9hc5kn4c
    @user-vr9hc5kn4c3 жыл бұрын

    フェーン現象と地形性降雨の違いがよくわかりません、、

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    コメントありがとうございます。フェーン現象と地形性降雨は、どちらも「風が山地にぶつかる」という点では同じです。その結果、「山を越えた向こう側に乾燥した高温の風が吹く現象」が「フェーン現象」で、「風のぶつかった側に降る雨」が「地形性降雨」です。

  • @user-er1xp7iv9o
    @user-er1xp7iv9o Жыл бұрын

    しろみすふぇーんぼら……

  • @user-co4vf5lz3y
    @user-co4vf5lz3y3 жыл бұрын

    確かに群馬県に住んでいそうなお顔立ちをされていますね笑

  • @user-vx3ki1rt4i

    @user-vx3ki1rt4i

    3 жыл бұрын

    生まれは新潟で、群馬に来る前はアフリカ(ザンビア)に住んでました。というわけで、「アフリカに住んでそう」と言われても喜びます。

  • @user-co4vf5lz3y

    @user-co4vf5lz3y

    3 жыл бұрын

    @@user-vx3ki1rt4i アフリカに住んでいそうな話し方をされていますね😆

  • @user-jw4bh3mf9d
    @user-jw4bh3mf9d8 ай бұрын

    モンスーンの説明時の低気圧ができる解釈が間違っています。熱い空気と冷たい空気では密度が異なり、熱い空気の方が密度が低いので物質量(その場の鉛直方向の空気の積算量)が少なくなり重力によるその場の押さえつけが弱くなるので低気圧になり、相対的に冷たい空気はその逆です。空気が上昇してその場の空気がなくなる(なくなりません)ので低気圧になるわけではありません。

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