【もう誰も失いたくない】
その想いが立て続けの回復魔法の詠唱で疲労困憊の彼女を体を突き動かす。
「お兄様・・・」
回復魔法を使用したほんの一瞬だけ、昔お兄様にこの魔法を教わった時の事を思い出してしまった。
ダメだ、今は集中を途切れさせてはならない。
仲間がダメージを受けるであろうタイミングで、回復魔法を発動し続けなければ。
オーバーヒールが有るので無駄では無いが、こうも立て続けの詠唱は魔力の消費が尋常ではない。
でも、回復が間に合わずに死なせてしまっては元も子も無い。
そんな状況はお構いなしに、王の化身の猛攻は着実にパーティの体力と精神力を削り続けていた。
かろうじて回復が追い付いているのは【彼】による防御バフの展開と福音による範囲持続回復・先読みのヒールがなんとかうまくいっているせいだ。
？？？
彼女がその場にいるはずの仲間が一人いない事に気づいたのはその時だった、獣耳の少女の姿が見えない。
ありえない状況に混乱するが、このまま回復支援に集中しないと今私達を護ってくれている【彼】が倒れパーティが壊滅してしまう。
仲間の為、民の為、王族で有る彼女の凛々しき献身を象徴する様な眩く優しき聖なる光が、仲間達が危機に陥る度に包み込んでいた。
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いつもご視聴ありがとうございます♪
次回の楽曲は戦闘シーンではないので、おとなしめとなります。
楽曲の方針が変わったわけでは有りませんので、ご理解頂ければうれしいです！