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◆冤罪で特捜部に逮捕された上場企業社長が激白！
　検察の捜査や人質司法を巡っては、東京地検特捜部の取り調べに対して容疑を否認し続けたことによって東京拘置所に226日間も勾留され続けた元KADOKAWA会長の角川歴彦さんが『文藝春秋』2023年11月号で、自らの体験を綴った手記（「角川歴彦　わが囚人生活226日」）を寄稿。世間の関心が高まっています。
　今回のゲスト山岸忍さんも人質司法の被害者の一人です。2021年10月28日、大阪地方裁判所は、業務上横領罪で起訴されていた東証一部上場企業の不動産会社プレサンスコーポレーション元社長の山岸さんに対し、無罪判決を言い渡しました。
　事件は2017年、私立明浄学院高校（大阪市）の土地売却に関するものでした。山岸さんは、学校法人の元理事長らと共謀し、手付金として振り込まれた21億円を複数の別法人の口座に移すなどして着服したとして、大阪地検特捜部により逮捕・起訴されてしまいました。
　大阪地裁で開かれた裁判では、山岸さんと元理事長らとの共犯関係が成立するかどうかが争点となりました。
　検察側は、山岸さんの部下と、土地取引を仲介した不動産会社元社長の2人が、捜査段階で山岸さんの関与を認めた供述をもとに、山岸さんも不動産売買を巡る横領事件の計画を認識していたと主張しました。しかし実際にはそのような事実はなく、山岸さんと弁護側は横領を前提とした着服計画は知らず「冤罪である」と無罪を求めました。
　公判の結果、大阪地裁の裁判長は「部下の供述は変遷しており、信用できない」「被告（山岸さん）と部下らに共謀があったと判断するには合理的な疑いが残る」と述べました。検察も控訴せず、一審で無罪判決が確定しました。山岸さんの完全勝訴でした。
　しかし、逮捕・起訴されて大阪拘置所に勾留された期間は248日間にも及び、山岸さんは多くのものを失いました。本来、起訴後は原則として、保釈請求が認められます（除外事由に該当しない場合）。しかし実際には、容疑を否認していると検察が「罪証隠滅の恐れがある」と主張し、勾留がいつまでも続きます。いわゆる「人質司法」です。
　山岸さんはプレサンスコーポレーションの社長・取締役を辞任せざるを得ず、最終的に会社を売却せざるを得ませんでした。また長期間の拘束は精神的にも負担は大きかったと、後に語っています。
　そして山岸さんは今年4月、検察の杜撰な捜査や、248日間にわたる勾留の日々、最強弁護団と無罪を勝ち取るまでを綴った著書『負けへんで！ 東証一部上場企業社長vs地検特捜部』（文藝春秋）を上梓しました。
　今回、配信する「文藝春秋 電子版」ウェビナーでは、山岸さんと、記者として大型経済事件や政界を巻き込む疑獄事件などの調査報道に携わってきたジャーナリスト・村山治さん、『負けへんで！』の企画・構成を担当した赤澤竜也さんにご出演頂き、「検察の捜査と人質司法の問題」について存分に語っていただきます。
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