初めて彼と出会った日。
彼はやりたいことを沢山教えてくれた。
「ドライブがしたい。自転車に乗りたい。BBQがしたい。旅行に行きたい。ライブを見てみたい。海に潜りたい。」
僕は黙ったまま話を聞いていた。
ご飯を食べるのもお風呂もトイレも全て人の手を借りないとできない。これまで修学旅行に行けなかったり友達と出掛けることもできなかったりしたこと。
「みんな僕の身体を見てできないと思ってる。」
この社会の生きづらさに気が付かせてくれた。
世界を周り、多くの人に出会い、触れ合ってきた。偏見や差別はしていないと自分自身で感じていた。車椅子に乗っていない方が同じように自転車に乗りたい。海に潜りたいと言うと僕はすぐに「やろうよ！」って返したはずだ。
自然と判断していたのかもしれない。この人にはできないと。
「一緒にやってみるか。」
多くの人の力を借りて、東京に住む彼を兵庫県明石市へ招いた。自分たちだけの旅行。ドライブをしてBBQをしてライブを見て、自転車には乗れる場所がなかったけど乗馬体験をして、ここの乗馬体験できるところも競馬の引退馬(本来殺されてしまう)のセカンドライフを歩める場所。そして最後は海に潜った。
できないことなんてないんだ。
挑戦しようと思う気持ちが大切なんだ。
そんなことを改めて感じる旅だった。
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