日本初の鉄道用鉄筋コンクリート 島田川暗渠

「島田川暗渠」は、何の変哲もない農業用暗渠で、予備知識のない人には、発見することは容易ではありません。今は一部の土木技術者にのみ、「島田川暗渠は」、JR山陰本線・米子~安来間にある、鉄道におけるわが国最初の鉄筋コンクリート構造物として知られています。
外見上は何の変哲もない構造物ですが、坑口にはキーストーン(要石)と迫石を模した装飾があり、煉瓦石積みアーチ橋のデザインを踏襲しています。何より、明治40年に完成した後、約115年に渡り現役で山陰の鉄道交通を支え続けていることが、この構造物の素晴らしい点であると思います。
「島田川暗渠」が、初めての鉄筋コンクリート構造物に採用されたのは、荷重条件の厳しい鉄道において、経験豊富なアーチ構造により新技術である鉄筋コンクリートを試みたためであると思われます。ただ、側面の装飾は構造的に全く必要がなく、鉄筋コンクリートという新構造においてさえ、従来のデザインを払しょく出来なかった当時の技術者の迷いが感じられます。
目次
0:00 導入
1:09 島田川暗渠の概要
2:01 鉄筋コンクリートの歴史
2:57 島田川暗渠の特徴
3:34 土木遺産としての評価
5:29 島田川暗渠がもたらしたもの
島田川暗渠 概要
〈構造諸元〉
管理者 西日本旅客鉄道
路線名 JR山陰本線
構造形式 鉄筋コンクリートアーチ構造
径間 1.83m
〈工事諸元〉
設計・監督 鉄道作業局米子出張所(下村尚義、橋本敬之)
施工 野田梅吉
起点 鳥取県米子市吉岡
終点 鳥取県米子市車尾6丁目
着工 明治39(1906)年10月15日
完成 明治40(1907)年9月30日
開業 明治41(1908)年4月5日
所在地 島根県安来市島田町 35°24'55.5"N 133°17'17.8"E付近
1. 参考文献
・島根県の近代化遺産
島根県教育庁文化財課編/島根県教育委員会 2002.3 【島根県立図書館所蔵】
・日本の近代土木遺産
土木学会 土木史研究委員会 社団法人 土木学会 2005.12.15
2. アクセス
JR 山陰本線 JR安来駅より 国道9号 徒歩50分(3.7km)
JR安来駅より イエローバス(安来~米子線)
清水入口バス停下車 徒歩5分
3. BGM
この動画のBGMは、BGMerを使用しています。楽曲名は「秘密の森・ピアノver」です。
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