【コウノトリ】安全な巣作りを地域住民が支援 古い電柱再利用し人口巣塔づくり 鳥取県北栄町

春を迎え、子育ての準備を始めるコウノトリ。しかし、鳥取県北栄町ではある危険な場所で巣作りを行っていた。安心して子育てをしてほしいと新たな居場所を作ろうとする地域住民の取り組みが行われた。
翼を広げ空をはばたく美しい鳥。国の特別天然記念物・コウノトリ。鳥取県北栄町では去年に続き今年も飛来。子育て準備のための巣作りが確認されたが、その場所はなんと電柱の上。
コウノトリを守ろうと、電力会社が協力し電線の保護を行ってなんとか巣は完成した。
徳山幸一さん:
「電信柱も受け皿がないので木を組んでも落ちてしまう、風が吹いても落ちてしまう。それを見てなんとかならないかというみんなの気持ちがありました」
地元で農業を営む徳山幸一さん(72歳)。もっといい環境でコウノトリに子育てをしてほしい。そんな思いから徳山さんが取り組んだのが…。
徳山幸一さん:
「電柱を知り合いが持っていたので、もらってきて一本では低いのでもう一本継ぎ足して立てようかと思っています」
来年の巣作りに向けて古い電柱を再利用し、人工巣塔を設置しようと考えたという。そして、4月18日。まもなく完成すると聞き徳山さんの元を訪ねた。
徳山幸一さん:
「はじめは一人でやっていたけど、こうやって仲間が手伝ってくれてすごく助かりました」
手伝っていたのは徳山さんの思いに賛同した友人たち。平均年齢はなんと79歳。
カメラマン:
「みなさん楽しそうですね」
友人の徳岡大勝さん:
「来年の巣作り用に今年はもう間に合わないので、巣を作るか作らないかは分からない」
手探りで作るコウノトリの人工巣塔。支柱の先にかごを取り付け高さはおよそ12メートルになった。そして、いよいよ建てようとしたが、バランスを崩して支柱は転倒。真っ二つに折れてしまった。
徳山幸一さん:
「応援に来てくれた素人ばっかりでやったのでやっぱりかなと。もう一回新たに組んで出来上がった時点で、また手伝ってもらい建てようかと思います」
地域住民が設置を試みる人口巣塔。その裏には行政の動きが間に合わない現状があった。
Q.具体的な支援の形は決まっていますか?
蓑原美百合議員:
「まだはっきりとはしていないです。地域の方がこうやって早くに対応していただけるのはありがたいと思っています」
北栄町によると、これから来年の巣作りに向けて人工巣塔の設置を検討していく段階だという。その一方で、いち早く動いた自治体もある。
三ツ國陽介記者:
「鳥取県八頭町にコウノトリが飛来して一年。去年はあちらの電波塔で巣作りされましたが、今年は手前の人工巣塔で子育てをしています」
鳥取県八頭町でも去年初めてコウノトリの巣作りを確認。しかし、巣を作ったのは高さ40メートルの電波塔の上。避雷針があるため落雷の危険があった。
八頭町教育委員会事務局 白岩雄一郎さん:
「電波塔や電柱に巣作りをすることは多々あるが、とても危険なので安全なところに人工巣塔を立てて、そこで巣作りをしてほしいという思いから予算をつけて設置に至りました」
そこで、ことし2月、およそ130万円をかけて人工巣塔を設置。現在、2羽のコウノトリが卵を温めているとみられ、順調にいけば6月下旬ごろに巣立つという。
八頭町教育委員会事務局 白岩雄一郎さん:
「ヒナが生まれて飛び立っていくのが毎年続いてほしいので、まずは八頭町にコウノトリが定着するように見守っていきたいと思います」
夕方、再び鳥取県北栄町を訪ねた。
カメラマン:「建ちましたね」
徳山幸一さん:
「建っちゃった。あれからすぐみんなと協力して」
Q.2回目はうまくいった?
徳山 幸一さん:
「段取りと要領が分かったので簡単に建てられました」
なんと折れた箇所を修復し無事に人工巣塔が建っていた。今後、強風などで折れないように補強をしながら来年の巣作りを待ちたいという。
徳山幸一さん:
「まだ電信柱を支える突っ張りをもう2か所しないといけないが、こうして作ったのでなんとか来年来てくれたらいいと思っています」
『北栄町に来たコウノトリを守りたい』。そんな思いが一つの形になった徳山さんの人工巣塔。コウノトリの定着に向け行政を巻き込んだ支援の輪はさらに広がりを見せそうだ。
(2023年4月19日放送 ニュースevery日本海より)
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