錦織、ファイナル4強にじむ悔しさ

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このビデオの情報錦織、ファイナル4強にじむ悔しさ(15日、男子テニスATPワールドツアー・ファイナル準決勝 ノバク・ジョコビッチ2―1錦織圭)
錦織圭、前人未到への挑戦
 錦織は「こてんぱんにやられた」という第1セットの心境を、こう振り返る。
 「何をしてもミスをしないし、いくら左右に振っても、深い球が返ってくる。何をしても勝てないだろうなという雰囲気でした」
 気を取り直し、第2セットを奪い返した。「ガツガツ、テンポ速く打った。彼のテニスに狂いが出始めた」。強打一辺倒でもない。バックのクロスに緩急をつけ、相手のスイングのタイミングをずらした。
 今季フルセットにもつれたときは、この試合まで21勝2敗。通算の勝率79・3%はボルグ、ジョコビッチ、ナダル、コナーズら歴代の王者を差し置き、錦織は「1位」に輝く。
 その最終セット。第1ゲームでブレークの好機をつかみながら、自身のミスで逃した。「あのゲームが一番のキーポイント。少し焦った。引きずったわけではないですけど、彼をカムバックさせた」。勝利への視界が開けた分、「世界1位に勝てるかも」という過剰な意識が力みを生んだ。テニスの怖さだ。
 実は、ジョコビッチもフルセットにもつれた試合はここまで今季14勝2敗。王者の堅守、しぶとさに屈した。
 試合後の記者会見で一番印象に残った言葉がこれだ。「4人に残れたのは評価できるけど、いい試合をしたところで何も得るものというか……。どんな相手でも勝たないと。負けるのは悔しい」。初のツアー・ファイナルで4強の満足感がほとんどない。悔しさのにじむ顔つきが、来季のさらなる飛躍を予感させた。(編集委員・稲垣康介)

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