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ゲノム編集技術の最前線 - 山本 卓 - 第7回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム(2021年2月16日)

第7回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム「世界を動かした技術とその道しるべ -技術革新と生命倫理-」
「ゲノム編集技術の最前線」
山本 卓(広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター長、統合生命科学研究科 教授)
近年、目的の遺伝子を自在に改変する技術として、人工DNA切断システムを基盤としたゲノム編集(Genome Editing)が注目されている。ゲノム編集は、切断されたDNAの修復過程を利用して遺伝子を改変する技術で、これまで改変が難しかった微生物や動物、植物においても遺伝子への変異導入(ノックアウト)や外来遺伝子の挿入(ノックイン)が可能である。人工DNA切断酵素としては、第一世代のZFNに加えて、標的配列選択の自由度が高い第2世代のTALENが2010年に開発され、様々な生物での標的遺伝子改変が報告されてきた。さらに2012年に、第三世代のCRISPR-Cas9システムが発表され、その簡便かつ効率の高さに多くの研究者が驚かされた。CRISPR-Cas9は細菌の獲得免疫システムを利用した方法で、短鎖のRNA (ガイドRNA)が標的配列に結合し、ガイドRNAと複合体を作るCas9ヌクレアーゼがDNAを切断する。CRISPR-Cas9の開発者のダウドナ博士とシャルパンティエ博士は2020年のノーベル化学賞に輝いている。
我々のグループでは、10年以上前からZFNの作製に取組み、ZFNを用いた動物胚での遺伝子発現の可視化を行ってきた。さらに、高活性型のTALEN(Platinum TALEN)を開発し、微生物や様々な動植物、培養細胞での遺伝子破壊や遺伝子ノックインを報告してきた。最近は、CRISPR-Cas9システムとMMEJ修復経路を利用した新規の遺伝子ノックイン法(PITCh法)の開発やiPS細胞での一塩基レベルでの改変技術(MhAX法)を共同開発し、さらにMMEJ経路のエフェクターを集積するLoADシステムによって、複数遺伝子座への同時遺伝子挿入に成功した。
本講演では、ゲノム編集の基本原理と発展技術の開発動向について紹介し、ゲノム編集技術の様々な分野での基礎研究と応用研究(バイオ燃料開発や品種改良、創薬や遺伝子治療)での可能性について議論する。
#京都賞シンポジウム #山本卓 #ゲノム編集 #広島大学
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京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム(略称“KUIP”クイップ)は、京都大学主催・公益財団法人稲盛財団共催により、2014年から毎年開催している国際シンポジウムです。2020年度は初めてオンラインで開催いたしました。
京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム
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京都賞
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※所属・役職・内容は動画制作当時のものです。

Пікірлер: 5

  • @user-yt5rm1jm5e
    @user-yt5rm1jm5e9 ай бұрын

    ウニと人体がDNAの研究で同じ何てとても不思議です。教えて頂いて有難う御座います。

  • @user-yt5rm1jm5e
    @user-yt5rm1jm5e9 ай бұрын

    ゲノム🧬編集でバフンウニ丼が将来も食べれます様に。ゲノム🧬編集が進みます様に!動物でも可能になりますように。

  • @user-yt5rm1jm5e
    @user-yt5rm1jm5e9 ай бұрын

    クラスパーの研究が進み美味しい食材が進みます様に。将来食べ物が無くなって来ると言う人がいます。ゲノム編集で美味しい食材作って下さい。癌に効くゲノム編集が進みます様にお願いします。

  • @user-yt5rm1jm5e

    @user-yt5rm1jm5e

    9 ай бұрын

    クリスパーでした✋間違えました✋

  • @user-iq3lu5og8c
    @user-iq3lu5og8c2 жыл бұрын

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