ローカルビジネスサテライト名古屋限定版です。新型コロナウイルスの影響で、売上が落ち込んだ松坂屋名古屋店。この危機から救ったのは、外商という特別な客を相手にするサービスです。外商員に密着しました。
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/ @aichi-news
▼内容
0:00 ポルシェ918スパイダー。918台限定生産の希少車です。
0:07 中古車ですが価格は2億5,000万円。
0:11 清須市の輸入中古車ディーラーにあるこちらの車。実は名古屋の松坂屋から顧客を紹介されて、販売しています。
0:23 （アペルタ名古屋 セールスアドバイザー 岩松さん）「ご紹介いただいた顧客さまに向けて、僕らが車を販売するという形だが、そこに対して僕らが手数料を支払うビジネスモデルで進めている。松坂屋だと時計や高級ジュエリーを買う顧客さまが多いので、そこに対する僕らの顧客層が非常にマッチしていたのが大きなメリットだと感じている。」
0:44 こうした高級車を購入できるような特別な顧客を相手にしているのが、デパートの「外商」と呼ばれる人たちです。
0:55 松坂屋名古屋店の北館6階にある外商フロア。このフロアにテレビカメラが入るのは初めてです。
1:07 中にはいると…この人も、この人も電話を放しません。外商の主な仕事は、いわゆる「御用聞き」。
1:18 およそ130人の外商員が、「お得意様」と呼ばれる特別な顧客の要望に応えます。
1:25 お得意様からの注文の多くは、高額商品。
1:30 貴金属やブランド品はもちろん、今や旅行商品や不動産、高級車といった店頭に並ばない商品も扱います。
1:40 新型コロナウイルスの流行で2020年度の松坂屋名古屋店の売上高は、1,000億円を割り込むほど落ち込みました。しかし21年度は業績を大幅に改善。そのうちのおよそ半分が外商による売り上げでした。
1:58 （松坂屋名古屋店 お得意様営業部 佐藤部長）「コロナになって店頭へいらっしゃるお客さまの数が減った状態からなかなか回復しないという中で、いかに売り上げを上げていくかというのが今の一番の大きな課題。やはり必要なのが、外へお客さまのところへ訪問しながら商売をやっていく外商。」
2:20 松坂屋名古屋店の外商員、森口寛太さんは入社3年目。この日は待ち合わせです。
2:28 そこに現れたのは…
2:30 （松坂屋名古屋店 外商員 森口さん）「お客さまお待ちしておりました。ご来場ありがとうございます。」
2:35 外商利用歴20年以上という女性です。森口さんが担当する「お得意様」の一人です。
2:43 案内したのは現代アートの展示即売会。
2:47 国内外のアーティストの作品がずらりと並び、中には、6,900万円という作品も。購入者のおよそ9割は、外商の顧客です。
2:59 （森口さん）「これがニックウォーカーという先ほど少しお話した現代アーティストになります。」（お客さん）「素敵な絵ですね。」（森口さん）「もう人気で、この5枚完売です。」
3:13 反応はまずまずでしたが、気に入った作品はなかったようです。でも外商の接客には満足しているといいます。
3:22 （お客さん）「やはり名古屋の人は、松坂屋とは言わない。松坂屋さんという。その中で、外商員の方を通していろいろなご案内を頂いたり、特別な催事に呼んでいただいたり、そうするとさらに松坂屋さんに行ってみたいという意欲が沸く。」
3:47 売場に並んだブランドバッグをパチリ。
3:53 一体なにをしているのでしょうか？
3:59 （森口さん）「お客さまがご自宅でバッグをご覧になりたいというお話があったので、要望に合ったバッグを探していました。」
4:08 売場を回って集めたバッグはあわせて7点。総額250万円です。
4:18 これを車に詰め込み、担当する「お得意様」のもとへ。
4:25 （森口さん）「事前にこういうのが欲しいというのは伺っていたので、それに合致するものを用意しています。」（記者）「喜んでもらえそうですか？」（森口さん）「どれか1個は決めていただけるのではと思っています。」
4:44 呼ばれればどこにでも伺うのが外商の仕事。催事の案内だけでも訪問し、こまめに顔をつなぐのが松坂屋流です。あいにくここから先は撮影NG。はたして買ってもらえるのでしょうか。
5:01 今回、顧客から出された注文がこちら。普段使いができる、大き目の肩掛けカバンが希望のようです。これに対して森口さんはブランドの違う7種類のバッグを用意。すると…
5:16 （森口さん）「2つ買っていただきました。」
5:18 総額65万円のお買い物、ご成約です。
5:23 （森口さん）「お客さまがきょうお持ちしたバッグを見て、好きなやつだと喜んでもらえたのでリサーチしてご用意できてよかったと達成感がある。いかにお客様にストレスなく楽しんでいいただけるかというのを一番大事にしている。」
5:44 （日本経済新聞 門岡記者）「外商顧客というのは、デパートの大切な資産といえます。ただインターネット通販が普及する中、これまでどおりの外商のスタイルでは、顧客のニーズに応えきれなくなるのではという恐れもあります。このため松坂屋名古屋店では、高級車ディーラーや旅行会社などとのタイアップという新たな外商のスタイルに活路を見出そうとしています。」
6:09 （佐藤部長）「お客さまのニーズは非常に多様化している。百貨店の店頭にあるものだけの販売では、この先先細りになっていくだろう。お客さまの広いニーズをとるために、百貨店店頭にないような商品のニーズにも答えられるようにアライアンスの商売を拡大している。」